さて、前回は「エジソンて本当に偉いのか?」ってことについて書きましたので、今回はコメントでも寄せられていましたニュートンについて書きたいと思います。
 ニュートンと言えば誰もが知っているエピソード

木からりんごが落ちるのを見て万有引力の法則を発見した

っていうあれありますね。あれはもちろん嘘です。(信じてた人いるのかな?)では、
ニュートンはどうやって万有引力を発見したのでしょうか?」
 ニュートンより少し前にイギリスの科学学会にフックと言う人がいました。バネに関する運動の法則、フックの法則で有名なあのフックです。このフックがニュートンに送った手紙に次のような内容が書かれていたことが知られています。

  1. すべての天体はどれでも、それら自身の中心へ向かう力(引力)を持っており、我々が地球において見るように、それらから飛び去ってしまわないように保っている。
  2. 働きかけられている物体が、引力の中心に近ければ近いほど、これらの引力はより強く作用すると思われる。私は、この引力の大きさについてまだ実験的に立証していないが、しかるべき方法で活用されるならば、すべての天体の運動を『ある一定の規則に還元する』のに大きな助けとなると考えられる。

 つまり、
「なんかわからないけど、地球が自分たちを引っ張っている力があってそれのおかげでこうして地面に立っていられるんだと思う。んで、この力の法則が見つかれば天体の運動なんかも説明できるんじゃないかなぁ・・・。あんまり、自信ないけど」
っていうような内容でした。
 この手紙をもらった直後にニュートンは自身の著作の中で万有引力の法則を発表しています。フックの手紙をヒントにして法則を発見したことは明白ですね。
 フックはもちろんこれに抗議しましたが、もともとフックは実験をやったり、発明をしたりするのは得意だったのですがいかんせん理論が弱く、万有引力に関しても自分が論文を書いていたわけではないのですっかりニュートンに手柄を取られてしまいました。
 それだけでなく、ニュートンはフックの死後に自身の著作の中から
「この法則を発見できたのはなんといってもフックさんのおかげです。ありがと〜」
 っていう内容の謝辞を削除しました。(!!)さらにさらに、彼が残した論文や研究設備などを徹底的に処分しました。(フックの肖像画まで!)
 こうしてニュートンは「物理学の神様!」と人々にたたえられたのに対し、フックは「ああ、バネの人ね」といった扱いになってしまったわけです。
 もちろん、万有引力の法則を定式化して一般的な惑星運動にまで理論展開したことは偉大な功績には違いないのですが、こうしてみるとニュートンも偉い人と呼んでいいのかどうか・・・。
 ま、私より「偉い」のは間違いなさそうかな。(またかよ)