日本国憲法
第9条<戦争の放棄,軍備及び交戦権の否認>
日本国民は,正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し,国権の発動たる戦争と,
武力による威嚇又は武力の行使は,国際紛争を解決する手段としては,永久にこれを放棄する。 

前項の目的を達するため,陸海空軍その他の戦力は,これを保持しない。国の交戦権は,これを認めない。 

 さて、日本国民なら中学で必ず習う憲法第9条です。(ちなみに自分は社会科の教員に暗記させられた記憶があります)小泉首相自衛隊多国籍軍参加を検討しているようですが、どう思いますか?「え?今までも参加してたんじゃなかったっけ?」って人がいましたらそれはおそらくPKO(国連平和維持活動)と勘違いされていると思われます。多国籍軍PKOはまったく違います。
 憲法第9条が日本国で守られていると仮定するならば、自衛隊は戦力ではありません。つまり、イラクに駐留しているのはただの人道支援団体ということになります。日本政府としてもこうした定義の上で自衛隊派遣を決めたはずです。
 多国籍軍といってもその半分以上は米軍です。米軍はファルージャ等でテロ掃討作戦などを展開しています。自衛隊多国籍軍に参加すれば、イラクの人々にとって自衛隊と米軍は同じくくりとみなされてしまいます。いくら小泉が

武力行使は一切せず、自衛隊の活動自体はこれまでと変わらない」

と言ってみても、イラクの人々がそう見てくれるとは思えません。
 最後に自衛隊多国籍軍参加と憲法9条について秋山内閣法制局長官の国会答弁です。

国連決議の内容、多国籍軍の目的・任務・編成など具体的な事実関係に沿って、わが国として武力行使を行わず、またわが国の活動が他国の武力行使と一体化しないことがきちんと確保されている場合には、武力の行使を伴う任務と伴わない任務と両方が与えられる多国籍軍に参加することは憲法上問題ないものと考えている。

 多国籍軍の「治安維持活動」とは聞こえはいいですが、内容は「テロ掃討作戦」に変わりありません。自衛隊がこれに参加することは憲法違反以外の何者でもないと私は考えます。