カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した柳楽優弥(やぎら・ゆうや)さん。なんと、日本人初&史上最年少受賞というおまけつきです。主演映画は「だれもしらない」でしたが、ほんとに「だれもしらない」人が受賞しちゃいましたね。(さっき調べてて知ったんですが、どうやら「クニミツの政」っていうドラマに出てたみたいですね。ま、見てないけど・・・)
 しかし、今回注目したいのはなんといってもパラムドール(最優秀作品賞)を受賞したマイケル・ムーア監督の「華氏911」です。ブッシュ親子とアルカイダとの因縁をドキュメンタリーとしてまとめ、痛烈なブッシュ政権批判を秘めたこの作品はその内容からウォルト・ディズニー社が配給を拒否したほどで、いまだに配給会社が決まっておりませんw
 マイケル・ムーア監督といえば、一番に思い出すのがなんといっても「ボーリング・フォー・コロンバイン」(ASIN:B00008HC54)でしょう。アメリコロラド州コロンバイン高校で起きた生徒二人による銃乱射事件。教師1名生徒12名が射殺される大惨事となりました。この作品では、ムーア監督自らがカメラを持ち事件に使われた銃弾を販売したKマートへ事件の被害者と出向き、銃弾の販売を取りやめるように抗議したり、無神経な演説を行った全米ライフル協会の元会長に被害者に謝罪するように求めたりと、アポなし直撃取材を敢行するという内容です。マイケル・ムーアの人をおちょくるような姿勢や軽妙なトークは実に愉快ですし、同じように銃社会であるカナダではアメリカに比べ重犯罪が格段に少ない理由、悲劇はなぜおきたのでしょうか?あのマリリン・マンソンも取材に答えています。私の見たドキュメンタリー作品の中で間違いなくナンバー1に位置する作品です。
 また、この作品は2003年長編アカデミー賞を受賞しましたが、このときムーア監督の受賞あいさつは忘れられません。

「We are against this war, Mr.Bush. Shame on you, Mr.Bush. Shame on you!」
【私たちはこの戦争(イラク戦争)とブッシュに反対する!ブッシュ!恥を知れ!恥を知れ!】

 この発言のおかげでムーア監督はホワイトハウスから危険人物のレッテルを貼られてしまいました。会場からはブーイングも起きました。しかし、私は見ていて胸のつかえが、すぅーっと取れるような気分でした。こんな大人がいるならアメリカもまだ捨てたものじゃないかなって気がします。
 華氏911は日本での公開どころかアメリカでの公開も未定(といっても今回の受賞で公開は確実)ですが、今回も絶対面白いと思う!そして、「ボーリング・フォー・コロンバイン」を見ていない方は絶対に見たほうがいい!アメリカという国がいかに暴走しているか、そしてそれに追従している日本の危険性を斬新な切り口で実感できることでしょう・・・。