最近、医学の世界へのIT技術の進出はめざましいですね。電子カルテやオンライン診断等徐々に実用化に向けて準備が進んでいるようです。そんな中でも、
「遠隔地からネットワークを通じて内視鏡手術の技術指導を行うという試みが実際の手術で行われた」
というできごとはかなり衝撃的なのではないでしょうか。今回の手術は内視鏡手術の花形?胆石の手術だったようですが、内視鏡っていうのは想像以上に操作が難しく、なかなかベテランの医師というのはいないようで、入院してもなかなか手術ができなかったり、体力的に患者に負担の大きい開腹手術で治療を行ったりしていたのが現状のようです。今回の事例は、内視鏡医師の不足を補う上で大変有用といえるでしょう。ただ、自分の手術だったら医師が画面を見ながら指示を仰いだりしているのは、少々不安にならなくもないですが・・・。
 しかし、今回一番驚いたのは、手術で使われた内視鏡の遠隔操作システムです。今回の手術ではベテラン医師がネットワークを通じて画像を見ながら音声で指示したり、患部をポインタで指し示したりするだけでなく、実際に内視鏡を遠隔操作できるようなシステムが導入されていたようです。指示を与える側で、カメラのズームや向きなどを操作できるというシステムの実現には、ちょっと考えただけでもかなり高度な技術が必要となることは容易に想像できます。この技術は危険地域での作業や動物の生態観察とうに応用できるでしょう。さすがオリンパスが開発しただけのことはあります。
 ちなみにオリンパスと言えばデジカメって気がするでしょうが、じつは世界の内視鏡のシェア7割をオリンパス製品が占めています。デジカメの売れ行きはイマイチですが、内視鏡業界では右に出るものがいないほどです。そうとう稼いでいるでしょうねぇ。友達が働いてるので今度おごってもらおうっと。